LiFePO4バッテリー容量テスト|家全体で何時間使える?

ソーラーパネル 太陽光発電

災害対策のために、バッテリー(蓄電池)を使ったオフグリッドシステムを検討されている方も多いのではないでしょうか。その際に気になることの一つは、実際どの程度バッテリーがもつのか、だと思います。今回は、充電したバッテリーの電力だけで普通の生活をしてみて、実際どの位の時間もつのか、テストしました。

ほとんどの家電製品をオフグリッドにしています

ソーラーパネル11kWとリン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリー15kWh(16セル48V)、ハイブリットインバーターを設置して、家全体のオフグリッドを目指しています。こちらがテスト時点の構成。まだ200Vの機器は商用電力を使用していました。

容量テストのシステム構成
容量テスト時点のシステム構成

右下の15kWhのバッテリーから家全体に電気を供給し、容量をテストします。冷暖房は使わない時期ですので、普通に生活すると1日に10kWhから15kWhくらい電力を消費するでしょう。はたしてバッテリーは24時間もつでしょうか?

M5Stackで電力を計測しました

計測の方法はこんな感じです。CTセンサーとADコンバータ、M5Stackを使用しました。バッテリーを満充電にしたら充電をストップして、ハイブリッドインバーターから100Vの電力を供給してテスト開始。供給された電力をCTセンサーで測定し、電力量を積算していきます(下図の2、赤い矢印)。

M5Stackでデータ収集
M5Stackで電力データを収集

バッテリーがなくなると、ハイブリッドインバーターは商用電源に自動的に切り替わります(上図の3、緑の矢印)。商用電源側にもCTセンサーがついていますので、いつ切り替わったかが、わかります。実際には、切り替えの様子を見ていたので、これは不要でした。

測定したデータはM5StackからGoogle Driveのスプレッドシートに自動保存します。今回は、1分ごとの電力値の平均をとって保存しました。

使えた時間と電力量は?

結論です。13:00から翌日の17:00まで、約28時間使えました。電力量は14.2kWhです。だいたい1日分の電気が貯められることになります。

電力使用量のグラフ
電力使用量と積算電力量

13:00のスタートからしばらくは、500W以下の時間帯が続きます。18:00を過ぎると食事の準備で1000Wから2000Wのデータが増えました。0:00前にはパンを焼くオーブンの電力消費も読み取れます。夜中は冷蔵庫と冷凍庫、朝6:00ごろのピークは炊飯器でしょうか。

100Vに変換する効率を考えると、15kWhのバッテリーで14.2kWh使えるのは、かなり優秀な結果です。

積算電力量とバッテリー残量
積算電力量とバッテリー残量

試しに、積算電力量に、BMSに表示されたSoC(State of Charge:バッテリー充電率)とバッテリー電圧を重ねてみました。SoCは、思ったよりも実際の残量をきちんと反映していることがわかります。普段生活する際も、表示されるSoCで電池の残量が把握できるのは安心です。

以上をまとめた動画がこちらになります。

私が使用しているリン酸鉄リチウムバッテリーは、alibaba.comで中国から個人輸入したものです。送料が高く、総額だいたい30万円かかりました。

いきなり家全体をやるのは敷居が高いと思いますので、まずは小規模に試してみるのが良いでしょう。最近は、国内のネット通販でもリン酸鉄リチウムバッテリーが入手しやすくなりました。下の商品は、日本の企業が扱い、無線関連の技適もきちんと取っているので安心です。


もちろん、BMSも内蔵されています。自分で組まない方はこういった商品も検討してみると良いと思います。

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